倉庫点検

物流倉庫でよく起こる事故は?発生原因と対策を解説

物流需要の拡大により倉庫拠点が増える一方、転落や転倒などの事故が増えています。しかし、ひとたび重大な災害が起これば、作業停止による納期遅延やクレームなど、企業の信用問題にも発展する可能性も。

本記事では、物流倉庫内でよく起こる事故や、発生原因について解説。対策方法も紹介しますので、参考にしてください。

物流倉庫で事故を予防する重要性は?

物流倉庫内で事故が発生すると、従業員が怪我を負う可能性だけでなく、企業の経営面においても大きな影響があります。たとえば、事故により商品が破損した結果、納期の遅延による企業の信頼性の喪失、取引停止、さらに人材の流出といったさまざまなリスクは避けられません。

一方で、徹底した安全対策の実施は取引先や消費者に安心感を与えられます。顧客やリピーターの獲得にもつながるため、事故を予防することは、重要な経営戦略の一つだといえるでしょう。

物流倉庫で発生しやすい事故

物流倉庫では、人・荷物・機械などさまざまなものが行き来しているため、事故が起きやすい傾向にあります。ここからは、物流倉庫で発生しやすい事故について解説しましょう。

転落

物流倉庫では、トラックの荷台や脚立、フォークリフトのパレット上など、不安定な高所で作業する場面が多いです。そのため、作業中にバランスを崩し転落してしまう危険が伴います。具体的には、荷台でシートを強く引いた反動で落下してしまったり、荷台から飛び降りて着地に失敗してけがをしたりすることがあります。

また、トラックの荷台から荷物が転落し、下で作業する人に直撃する事故も少なくありません。こうした高所由来の事故は重傷につながる割合が高いため、定期的な安全教育と設備点検を行うことでリスクを回避する必要があります。

フォークリフトの事故

フォークリフトは、物流の現場に不可欠な機械です。しかし、以下のような理由により、重大な事故が発生する可能性があります。

  • 操作ミス
  • 安全確認不足
  • 速度超過
  • 整備不良
  • 荷物の積み過ぎ

フォークリストは重い荷物を運んでいるため、バランスを崩して転倒する事故が多くみられます。死角が生まれやすいため、歩行者と衝突してしまうことも少なくありません。

運転者だけでなく、作業者全員が危険性を理解するのが大切です。

転倒

移動中や荷物の運搬に転倒する事例も、倉庫内で多く見られる事故です。たとえば、大きな荷物を1人で運搬中に足元の段差につまずき、受け身が取れずに骨折や打撲といった怪我につながるケースがあります。

床が濡れたままになっていたり、部品が転がっていたりするなど、整理整頓が行き届いていないことが、転倒事故につながる場合も。基本的な安全管理を怠った結果、発生しやすいのが特徴です。

物流倉庫における事故対策

物流倉庫内で事故が発生する理由は多岐にわたるため、原因に応じた対策が不可欠です。ここからは、事故を防ぐための対策方法を解説します。

倉庫内の整理整頓

足元に荷物が置いたままになっていたり、視界が遮られてしまうほど荷物を高く積んだりすると、衝突や転倒のリスクが高まります。そうした事故を防ぐためには、倉庫内のものは定位置へ保管し、整理整頓を心がけることが重要です。

また、整理整頓は物を探す時間も短縮され、作業効率の増加にも効果を発揮します。現場が作業しやすいように、物の定位置・定量を決めて、全員で徹底するのがポイントです。

フォークリフトの導線の整備

倉庫内は、フォークリフトと作業員が同空間で動くため、衝突や落下などの事故リスクが高いです。そうしたリスクを低減する為には、下記のような対策が効果的です。

  • 交差点にコーナーミラーを設置し、死角を解消する
  • 人が通る箇所に安全地帯を設け、フォークリフトは入らないようにする
  • フォークリフトの後退時に警告音を鳴らし、周囲へ注意喚起する

そのほかにも、安全講習を行う、操作性を定期検査をすることなども重要です。事故を予防する為には、従業員がフォークリフトの危険性を理解し、安全に使うことが求められます。

作業者同士が声かけをする

基本的なことですが、作業者同士がリアルタイムで声かけを行うのも重要です。

たとえば、他の作業者の近くを通る際は大きな声で「後ろ通ります」、「右へ曲がります」などど動作を伝えれば、相手の死角をカバーできます。フォークリフトを動かす際は、「フォークリフトを動かします」といった動作開始の合図を出すのも有効です。

これまで声かけを重視していなかった場合は、定着するまでには時間がかかる可能性もあります。声かけを怠った結果の事故事例などを共有したり、ロールプレイ訓練を行ったりして、従業員全員が実施できるように取り組みましょう。

まとめ

物流倉庫の安全対策は、従業員が安心して働くためには必要不可欠です。また、事故を起こさない環境づくりは、企業の信頼感の獲得にもつながるでしょう。

倉庫内では転落や転倒など、さまざまな事故が発生します。それらの原因を特定したうえで、事故ゼロを目指して対策を行ってください。

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