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物流におけるサステナビリティな活動のメリット3選!具体策も解説

物流は社会や経済活動を支えるうえで不可欠な存在ですが、同時に大量のCO2排出や資源消費といった環境課題も抱えています。こうした課題に対し、近年注目されているのがサステナブル物流です。

これは、地球温暖化や資源枯渇といった環境問題に対応しつつ、効率的な物流運営を目指す取り組みを指します。従来の物流が抱えていた環境負荷を改善するだけでなく、企業の競争力向上やブランドイメージ向上にもつながる点が大きな特徴です。

本記事では、物流におけるサステナビリティな活動のメリット3選と具体策を紹介します。

物流におけるサステナビリティな活動とは?

サステナブル物流とは、地球温暖化や資源枯渇といった環境問題に対応するため、環境に配慮しつつ効率的な運営を目指す取り組みです。

従来の物流は、トラックや航空機による大量のCO₂排出が問題視されてきましたが、サステナブル物流はこれを改善することを目指しています。環境問題を解決するだけでなく、企業の競争力向上やブランドイメージ向上にもつながるのが特徴です。

物流におけるサステナブルな活動のメリット

物流においてサステナブルな活動の実施は、さまざまなメリットをもたらします。ここでは、代表的なものを3選ご紹介しましょう。

環境負荷を低減する

物流業界では、大量のエネルギー消費とそれに伴うCO2排出が大きな課題となっています。この環境負荷を軽減するために、再生可能エネルギーの活用や電動車両(EV、FCVなど)の導入が進んでいます。特に電動トラックは、CO2排出量を大幅に削減し、クリーンな輸送を実現する上で非常に有効です。

また、資源の有効活用も、環境負担の低減に寄与します。リサイクル可能な包装材を使用したり、リユース可能な配送ボックスを導入したりすれば、資源消費を抑制。さらに、事業廃棄物の削減にもつなげることが可能です。

経済的メリット・効率性の向上

サステナブルな物流は環境負荷を低減するだけでなく、企業に多大なる経済的メリットをもたらします。

まずは、運用コストの削減です。配送ルートの最適化や共同配送、積載率の向上などを通じて、燃料費や人件費、再配達費用といったコストの削減が可能です。さらに、省エネ設備の導入や再生可能エネルギーの活用は、長期的なエネルギーコストの削減にもつながります。

さらに、企業の生産性の向上にも寄与します。運行管理システムや在庫管理システムを導入することで、物流業務全体の効率が向上し、無駄な走行や保管を減らすことができるでしょう。

社会的責任と評価の獲得

サステナブル物流に取り組むことは、企業のブランド価値と競争力を大きく高めます。環境に配慮した企業活動は、環境意識の高い顧客や社会全体からの評価を向上させ、持続可能な社会構築への貢献を示す重要な要素となります。

具体的には、CO2排出量の削減やコスト削減といった直接的なメリットに加え、企業イメージの向上という間接的な恩恵も得られます。これにより、消費者からの支持を獲得し、市場における競争優位性を確立することが可能です。

サステナブル物流は、環境保護と経済的利益を両立させながら、企業が将来にわたって持続的な成長を実現するための鍵となります。

サステナブルな活動にはどんなものがある?

サステナブルな活動は、企業によってさまざまな取り組みがあります。多くの企業が導入している活動には、次の2例です。

梱包資材を削減する

物流業界では、商品の輸送や保管に際して大量の梱包資材が消費されており、これに伴う環境負荷が大きな課題となっています。この課題に対し、梱包資材の削減や再利用を推進することは、SDGs目標12「つくる責任 つかう責任」の達成に大きく貢献する重要な取り組みです。

具体的な対策としては、プラスチック製の梱包材を削減し、リサイクル率の高い段ボールへ切り替えることがあります。段ボールは比較的容易にリサイクルが可能であり、環境負荷の低減に貢献します。

さらに、使い捨ての梱包資材から再利用可能な資材への転換も効果的です。たとえば、折り畳みコンテナや、特定の拠点間を繰り返し輸送する際に使用する通い箱の活用は、廃棄物の大幅な削減につながります。これらの資材は耐久性があるため繰り返し使用でき、新規資材の製造に伴う資源消費やCO2排出を抑制できるのが特徴です。

また、これらの取り組みは、廃棄物が削減できるだけではありません。長期的に見れば、資材調達コストの削減にもつながり、環境面と経済面の両方で持続可能な物流システムの構築に貢献します。

共同配送を実施する

共同配送とは、複数の異なる荷主の荷物をまとめて一台のトラックで運ぶ物流手法のこと。それぞれの企業がトラックを手配するのではなく、配送先が同じ、あるいは近い荷物を集約して輸送するため、物流全体の効率性を大幅に高められます。

この方式の最大のメリットは、輸送効率が劇的に向上することです。一台のトラックで多くの荷物を運べるため、走行台数や走行距離が減り、燃料消費量とCO2排出量の大幅な削減が可能です。これは環境負荷の低減に直結し、交通渋滞の緩和にも貢献します。

さらに、共同配送は経済的なメリットも生み出します。トラックの積載効率が上がれば、各事業者あたりの輸送コストを削減できます。ドライバー不足が深刻化する現代において、限られたリソースを最大限に活用できる共同配送は、持続可能な物流システムを構築するために不可欠な取り組みといえるでしょう。

まとめ

サステナブル物流は、企業が持続的に成長するための重要な戦略です。電動車両導入や再生可能エネルギー活用、再利用可能な梱包材への切り替えで環境負荷を低減。配送ルート最適化や共同配送により、燃料費や人件費を削減することも可能です。

これらの取り組みは、企業のブランド価値を高め、環境意識の高い顧客からの支持を得ることで、競争力強化にもつながります。自社で導入できる施策はないか、参考にしていただけたら幸いです。