物価が高騰している昨今、いかにコストを削減するかは、どの企業にとっても重要な課題です。
物流において多くのコストを占めているのが、輸送に関する費用です。特に梱包資材費は、輸送費全体の約10~15%の割合を占めているため、この費用を少しでも削減できれば、中長期的には企業の業績においてもプラスになるでしょう。
本記事では、企業で輸送・梱包を担当している方に向け、梱包資材費を削減するポイントについて解説します。コストカットでお悩みの方の参考になれば幸いです。
梱包資材費をカットする注意点は?
梱包資材費をカットする方法の一つに、資材の品質を落とすやり方があります。
この方法は一時的にコストを削減できますが、商品が破損してしまうリスクも発生します。破損品と交換するために再配送を行うと、コストがかえって上がる可能性も。そのため、闇雲に資材の強度を落とすのは適切な手段ではありません。
また、資材の品質を落とすと、商品自体の印象が悪くなることも。顧客からの信頼を失う原因になるため、梱包資材の品質や安全性を落とさずに、コスト削減をする方法を模索する必要性があります。
梱包資材費をカットするポイント4選
ここからは、梱包資材費をカットするポイントを4つご紹介します。自社で導入できる方法がないか、ぜひ参考にしてみてください。
使用している梱包資材を見直す
梱包資材として一般的に使われている素材は段ボールです。
企業によっては、高級感を重視するために木箱を使用しているケースもあるでしょう。しかし、木箱は強度や高級感がある反面、コストがかかるのがデメリットです。
現在の技術では、軽量でありながら強度も優れた段ボールも販売されています。デザインを重視するなら、カラーのものや全面に箔押しされたものなどをチェックしてみるとよいでしょう。
また、商品の種類によっては、段ボールよりも袋が適しているケースもあります。内側に緩衝材がついた袋を導入すれば、商品の破損を防ぎつつ、箱よりも小さなサイズで発送可能です。
梱包資材の仕入れロット数は適切か
梱包資材の制作を注文する場合は、少量よりも大量に依頼する方が、資材1個あたりの製造単価は安くなります。
企業によっては、コストを少しでも削減したいからと小ロットを注文することがあるかもしれません。しかし、小ロットでは製造単価が高くなるほか、発注の回数も増えてしまうため、余計なコストが発生している可能性も。
長期的な視点でコストカットを実現したいなら、仕入れロット数を一度見直してみましょう。
ただし、梱包資材を大量に発注した結果、自社に保管するスペースがないケースもあります。結果として新たに保管場所を用意しなければならないケースも。自社の状況に合わせて、適切な仕入れ数を検討するのを推奨します。
商品の規格に合う資材を使う
ある程度同じ大きさの商品であれば、同一の外装(段ボール箱や袋)を使用している企業もあるでしょう。
しかし、商品のサイズよりも大きな外装を使うと、隙間に緩衝材を入れる必要があります。場合によっては、商品の大きさに合わせて緩衝材をカットする手間がかかることも。結果として過剰包装になり、コストの増加を招きかねません。
対策としては、商品の規格に合わせた梱包資材を使用することです。商品にぴったりな資材を使用できれば、コスト削減につながります。
商品に対して梱包材のサイズは適切かどうか、今一度見直してみましょう。
作業ルールを統一する
梱包資材費を抑えるためには、作業者全員が同じやり方で梱包をしなければなりません。
梱包方法に明確なルールがなく各自の判断に任せてしまうと、必要以上に大きな箱を選んだり、緩衝材を入れすぎたりして、過剰包装を招きます。過剰包装は資材費が増加するほか、荷物の体積も増える為、輸送効率が低下する原因に。
そうした事態を防ぐには、作業ルールを統一するのが重要です。梱包する手順や、使用する資材の種類や量の上限量などを定めて、誰が作業しても同じように仕上がる体制を整えましょう。
また、作業ルールの統一により効率のよい梱包作業が実現するため、人件費の削減も期待できます。
梱包マニュアルを文書で配布したり、作業場の近くに梱包ルールを示した図やイラストを貼ったりして、スムーズに作業できる体制を整えましょう。
まとめ
物価が高騰している昨今、梱包資材費をどのように削減するかは重要なポイントです。まずは、使用している梱包材の種類や発注ロット数を見直すほか、適切な梱包ルールが構築できているかどうかを見直してみましょう。
同じ方法を長年続けてきた場合、思わぬ部分で余計なコストがかかっている可能性もあります。現状の手法はコストカットの視点で適しているかどうか、今一度確認してみましょう。