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倉庫内業務を効率化するには?改善ポイントを解説

倉庫内業務は物流の要でありながら、非効率な運用に悩む現場も少なくありません。効率が悪化する理由に、人為的なミスや無駄な動作などが挙げられます。原因を正しく把握したうえで、適切に対処することが重要です。

本記事では、このような課題を解決し、倉庫内業務を効率化するための具体的な改善ポイントを解説します。少ない労力で成果を出せるように、取り組みを見直してみましょう。

倉庫内業務が効率よく進まない原因は?

倉庫内作業が滞ってしまう原因は、さまざまなものがあります。ここでは、代表的なものを順番に紹介しましょう。

ヒューマンエラーによるミス

倉庫作業内でヒューマンエラーが起きると、作業効率化の妨げとなります。

たとえば、作業者が異なる商品をピッキングしてしまったり、数量を誤って梱包したりするミスが起きると、手直しを行わなければなりません。次の工程に進めないため、作業の停止や修正時間が発生し、作業時間が無駄になってしまいます。

ヒューマンエラーを完全に排除するのは、非常に困難です。ただし、効率化を追求するためには、よくあるミスとその原因を見極めたうえで、すぐに発見・修正する仕組みづくりが不可欠です。

不要な動作が多い

倉庫内作業で不要な動作が多いと、生産性の低下につながります。具体的には、以下のような動きが挙げられます。

  • 資材を頻繁に持ち替えたり、置き直したりする
  • 決められた場所に資材がなく、探し回らなければならない
  • 目的の資材が遠くにあるため、作業者が不要に歩き回る
  • フォークリフトが荷物を運んだあと、何も持たずに戻る

これらの動作は、資材が決められた場所に無かったり、作業ルートが確立されていなかったりするのが原因です。必要な動作を無駄なく、スムーズにできるよう、作業プロセスを見直す必要性があります。

倉庫管理の不備

倉庫の規模が大きい場合にありがちなのが、管理が行き届いていないことです。

倉庫内では、設備の運用や人員の配置、さらに商品の在庫管理などを正確に実施しなければなりません。これらが正しく運用できていなければ、生産性の低下を招きます。

特に手作業で管理を実施している場合、業務効率が悪く、人的ミスが発生するリスクも。効率的な管理を実現するためには、初期投資はかかりますが、必要に応じて管理システムを導入することが有効です。

倉庫内業務を効率化するポイントは?

続いては、改善に向けたポイントを順番に解説しましょう。

作業マニュアルの作成と徹底

作業するスタッフによって、習熟度やスキルは異なるものです。しかし、対応するスタッフによって業務の進め方が変わると、作業が効率よく進みません。そこで実施したいのが、作業マニュアルやルールをきちんと作成することです。

正式なマニュアルがあれば、作業を標準化できます。誰が担当しても同じ手順で作業ができるため、ある程度の作業スピードを担保できます。

また、マニュアルは一度制作しただけでは、業務の効率化にはつながりません。定期的に実施状況を見直し、作業者全員に周知徹底できるようにしましょう。

倉庫内の整理整頓

基本的なことですが、整理整頓の徹底も重要なポイントです。決められた場所にものを片付けなければ、資材を探す時間が発生し、作業効率の低下を招きます。

また、使用した梱包材や道具を放置したままにすると、足に引っかけたり視界を妨げてしまったりして、思わぬ事故を招くリスクも発生します。作業の効率化はもちろん、従業員の安全を守るためにも、整理整頓は徹底しましょう。

作業導線を見直す

倉庫内では、商品の仕分けや梱包など、さまざまな作業が行われています。資材を取ってきたり戻ったりして、歩き回らなければならないことも。そのため、作業の導線を意識して短くすることも、倉庫内作業の効率化には不可欠です。具体的には、以下のような対策を実施しましょう。

  • 取り扱いの多い商品は、入出荷しやすい場所に保存する
  • ピッキングエリアとリザーブエリアを分ける
  • 作業に即した資材を、適切な位置に配置する

作業エリアをきちんと分けると、作業効率が上がるだけでなく、フォークリストが従業員と接触したり、種類の異なる荷物が混入・紛失したりするトラブルを回避できたりします。

また、作業導線を見直す際は、現場の作業員の声を取り入れるのも重要です。どの場所に何があれば作業しやすいか、十分にヒアリングしたうえで、改善へつなげましょう。

作業員を確保する

効率よく作業が進まない原因に、人手不足があります。従業員の数が不足していると、作業工程が止まってしまったり、作業完了までに大きな時間がとれたりします。

現在、物流業界は慢性的な人手不足といわれているため、新たな従業員を確保するのは難しいかもしれません。忙しい時間帯に合わせて作業シフトを調整したり、人が必要な作業に合わせて人員を投入したりして、効率よく作業ができるように工夫しましょう。

まとめ

倉庫内業務の効率化は、物流を円滑に進める上で必要不可欠です。ヒューマンエラーや不要な動作、倉庫管理の不備といった原因を特定し、適切に対処しましょう。

本記事で解説した「作業マニュアルの作成と徹底」「倉庫内の整理整頓」「作業導線の見直し」「作業員の適切な配置」は、少ない労力で大きな成果を生む改善ポイントです。これらの対策を実践することで、無駄をなくし、効率的な倉庫運用を実現してください。